
以下のチャックリストに当てはまる方は、もしかすると酵素が足りていないかもしれません。
ドラックストアやネット通販などで健康食品として売られている酵素食品。
なんとなく体に良さそうと思って飲んでいませんか?
酵素の正体を知って正しく活用すれば、健康的にダイエットを成功させることができますよ♪
この記事ではダイエットに役立つ酵素について管理栄養士が分かりやすく解説します。
そもそも酵素ってなに?

酵素とは、私たちの体内で起きる「消化」「吸収」「排泄」を助けているものです。
さらに、食べたものをエネルギーに変える働きをしています。
つまり、まばたきや手足を動かすなど、私たちの生命活動は酵素なしには成り立ちません。
食事で食べたものがすべてスムーズに血や筋肉になると考えがちですが、それは間違いです。
口から入ったお肉は胃や腸で消化吸収されて血液中に入り、初めて全身の細胞で使える形になります。
食べたお肉は酵素の力で細かく分解されて、たんぱく質になり、私たちの爪や髪の毛、筋肉を作っているのです。

私たちの身体は化学反応の連続でできています。酵素という❝触媒❞の働きなしに生命活動を維持することはできないんですね。
ダイエット成功のカギは「酵素」が握る

酵素は「消化酵素」と「代謝酵素」の2種類存在します。(潜在酵素と呼ぶ)
「痩せる=代謝を上げる」といわれますが、代謝をつかさどるのがまさにこの2つの酵素。
つまり、ダイエット成功のカギは酵素を上手に活かして、代謝を上げることといえます。
ただし、酵素食だけを摂るのではなく、カロリー制限や糖質コントロールベースのダイエットと組み合わせることで効果が発揮されると覚えておきましょう。

代謝とは、ぜんまい式のおもちゃを動かす「歯車」のはたらきのようなイメージです!
消化酵素が少ないとどうなる?
中でも消化酵素が少ない人は以下のような症状が目立つようになります。
- 胃や腸の不調(おならやげっぷが多い、下痢や便秘、膨満感など…)
- 疲れやすい・だるさを感じる
- 肌荒れや乾燥、ニキビなどの皮膚トラブル
- 髪の毛が抜けやすく、爪がもろくなる
理由を順番に説明します。
胃や腸の不調

食べものが胃に入ると消化酵素の働きにより分子化され、細かくなって小腸に届きます。
スポンジのように細かい網目状になった腸の表面から、細かくなった栄養素が吸収されます。
ここで消化酵素が足らず未消化ままだと当然吸収にも時間がかかってしまいますよね。
やがて残りかすがどんどん腐敗していくので腸内にガスが溜まり、便も良くない状態に・・・。
これがおなかの膨満感や便秘、下痢の原因です。
疲れやすい・だるさを感じる

消化酵素が不足すると、食べたものが十分に消化・吸収されずエネルギーに変わりません。
食べたつもりでも体がエネルギーを上手に使えないので、疲労感を感じてしまいます。
たんぱく質もアミノ酸に分解・吸収されなければ筋肉やホルモンなどに使われません。
筋肉が衰えて体力が低下し、身体の機能が滞るので慢性的なだるさを引き起こすのです。
三大栄養素(炭水化物・脂質・たんぱく質)がガソリンなら、酵素はバッテリーです。バッテリーに蓄えられた電気で燃焼室から火花を飛ばすことができなければ、いくらガソリンが満タンでも車(人間)は動きません。
肌荒れや乾燥、ニキビなどの皮膚トラブル

消化酵素が足りなければ、栄養素が不足して肌のターンオーバー(新陳代謝)も起こりません。
皮膚を健康に保つ材料は主に鉄、ビタミンC、ビタミンA、亜鉛などのビタミンやミネラル。
そして何より土台となるのはたんぱく質です。
食べ物が分解されてきちんと栄養になり吸収されることで、初めて私たちの肌材料になります。

コラーゲンたっぷりのお肉だけ食べても、きちんと消化吸収されなきゃキレイなお肌は手に入らないんだにゃ!
髪の毛が抜けやすくなる、爪がもろくなる

髪や爪もたんぱく質を土台にして、様々なビタミンやミネラルを使って作られます。
消化酵素が足りなければ栄養が吸収されず、当然材料として使われません。
ボロボロな髪の毛や爪も、酵素を補うことで体中の栄養が満ち足りて美しくなります。
このように、酵素は私たちの生命活動全てに大きく関わっているんですね。

もちろんこれらの症状は、消化酵素の不足以外の原因でも起こることがあります。ひどい場合は自己判断せず、医療機関を受診しましょう。
消化酵素が少なくなる理由
消化酵素が少なくなる理由は以下の通りです。
- 加齢によるもの
- お肉などたんぱく質をよく食べる
- こってりしたものが好き
- おなかいっぱい食べる
- 生野菜や果物を食べない
私たちが体の中で作れる潜在酵素は、生涯で一定量、1日の生産量も決まっています。
歳を重ねると酵素は確実に減っていくのです。
つまり、酵素を無駄遣いすればするほど代謝が悪くなり、体脂肪やしわが増えて見た目の老化や病気を引き起こすことに・・・
酵素は貯金のように、早いうちから食べ物でこまめに補っていく必要があるんですね。

歳をとると白髪が増えるのは、髪を黒くするチロシナーゼという酵素が体内で作られなくなるからなんです!
消化酵素を増やすメリット

消化酵素を増やすことでダイエット効果が高まります。
なぜなら、酵素の作用により代謝が上がることでエネルギー消費が円滑になるから。
さらに、体内の潜在酵素は、「消化酵素>代謝酵素」の順で優先的に作られます。
消化酵素を外から補えば、体内の酵素を代謝酵素に多く回すことができるんです。
消化酵素を補うことで食べたものが適切な栄養として利用され、代謝酵素も増えますよね。
その結果、生活習慣病の改善やアンチエイジング、筋肉増強などに繋がるのです♪
消化酵素不足を補う方法
消化酵素が足りない人は、食べ物の❝食物酵素❞から補う方法が一般的です。
- 生野菜、生の果物を食べる
- 生魚を食べる
- 発酵食品を取り入れる
- よく噛んで食べる
- サプリメントで補う
理由を順番に説明します。
生野菜、生の果物を食べる

たんぱく質・脂質・炭水化物の消化を助ける食材を一覧にしました。
例えば、生姜焼きの生姜はお肉(たんぱく質)を柔らかくするために使われます。
焼き魚に添えられる大根おろしも、魚に含まれる脂の消化をよくするためです。
ここで大事なポイントは❝生の状態で食前か食事と一緒に食べる❞こと!
酵素は48℃以上で失活し、食物が胃や腸で消化される過程を同時進行で助けたいからです。
野菜は野菜スティック、漬物、すりおろしにしてドレッシングをかけると良いでしょう。

先人たちの知恵は、まさに酵素の性質を活かして生まれたんだにゃ!
生魚を食べる

生魚は、消化酵素を節約するという意味でも魚の消化で一役買ってくれます。
新鮮な生魚にも「リパーゼ」と「プロテアーゼ」という食物酵素が含まれています。
これらの酵素は自らのたんぱく質と脂質を分解することで、濃厚な旨味と食感を生み出します。
例えば熟成寿司として提供されるネタは、この自己消化の作用を上手に利用しているんですね。
焼き魚も良いですが、酵素を取るのであれば刺身で食べることが断然おすすめです◎

刺身のツマも同時に食べれば、消化作用がパワーアップ!
発酵食品を取り入れる

発酵食品を取り入れることで、いつもの食事がさらにパワーアップ!
代表的な発酵食品が生み出す酵素の働きは以下の通りです。
- 生みそ(非加熱)、キムチ
⇒乳酸菌が生きたまま腸に届き、腸内環境を整えることで消化吸収をサポート。栄養の利用効率や免疫力アップにも繋がる。
- ぬか漬け
⇒ぬかの微生物が野菜の乳酸菌をエサに、ビタミンB群やうま味成分を生成。野菜自体の栄養価を高め、腸内環境を整える。
- 酒粕
⇒100種類以上の酵素(プロテアーゼ、アミラーゼなど)が含まれる。3大栄養素(たんぱく質、脂質、炭水化物)の分解を助ける酵素が豊富。肉や魚を漬ける「粕漬け」にすると、食材が酵素で分解され、消化の負担を減らしてくれる。
生みそや酒粕は酵素を活かすなら和え物にするのがおすすめ!
発酵食品も48℃以上で加熱すると、やはり酵素は失活してしまいます。
一方で、それまでに酵素が生み出したアミノ酸やビタミン、ミネラル、食物繊維といった豊富な栄養素がなくなるわけではありません。
粕汁や野菜たっぷりの味噌汁は栄養満点なので、ぜひ積極的に取り入れてみてください♪
よく噛んで食べる

消化は上流からアプローチしましょう!
よく噛んで食べれば口の中の唾液が増えて、アミラーゼによる口中消化が行われます。
口の中で細かくかみ砕けば、胃腸で大量の消化酵素が働く負担も少なくなりますよね。

分厚い肉よりひき肉を選ぶなど、形状が小さいものにすることで胃腸への負担を軽減できますよ。
サプリメントで補う

おなかが空かなくてそもそも食べられない方に向いている方法です。
消化酵素サプリと謳われていても、実際はそうでないものもたくさんあります。
判断基準として、パッケージの裏面に「アミラーゼ」「リパーゼ」「プロテアーゼ」などという表記がされているものを選びましょう。
これらは炭水化物、脂質、たんぱく質を消化する酵素です。
お肉や唐揚げを胃もたれせず、下痢や便秘もなく美味しく食べられるようになりますよ♪
胃が荒れやすいなど向かない人もいるので、合わなければ食事から少しずつ補いましょう。
消化酵素たっぷりレシピ

最後に、朝ごはんにおすすめの「すりおろし野菜の和え物」をご紹介します!
前日に野菜をカットしておき、当日すりおろせばあとはドレッシングで和えていただくだけ。
食欲がない朝もさっぱりと食べやすく、野菜ジュースより血糖値を上げにくいのでダイエット時におすすめです♪
- かぶ…1/4玉
- 大根…3㎝くらい
- 人参…30g
- きゅうり…1/2本
- アマニ油…小さじ1
- 醤油、黒酢…各少々
1.きゅうり以外の野菜は皮をむく。
2.すりおろし器で野菜をすりおろす。フードプロセッサーで一気にすりおろしてもOK 。
3.アマニ油小さじ1、醬油と黒酢少々を合わせてドレッシングを作る。
4.すりおろし野菜にドレッシングをかけて完成。
野菜の酵素は空気に触れることで少しずつ減っていきます。出来るだけすりおろしたらすぐに食べるようにしましょう!
感想
- 少しの下ごしらえで調理がとっても簡単!
- とくに暑い夏など食欲がないときはさっぱりと食べられておすすめ。
- 野菜がたっぷりとれるので腹持ちが良く、食後は間食に手を伸ばしにくい。
- 黒酢を使うことでシンプルな材料なのに甘みとうま味が凝縮されていて美味しい♪
- 消化酵素たっぷりなので、他の食事と組み合わせて食べてもOK◎
まとめ

- カロリー制限か糖質コントロールダイエットに酵素を足すことで効果が得られる。
- 酵素には「消化酵素」と「代謝酵素」の2種類ある。(潜在酵素という)
- 酵素が消化・吸収を助けることで代謝が上がり、痩せやすい体質になる。
- 潜在酵素は一生涯で使える量が決まっており、年齢とともに減っていく。
- 潜在酵素を節約するために、食物酵素やサプリなどからこまめに補う必要がある。
- 食物酵素は熱に弱いので、生のまま食べることが望ましい。

これでぼくのダイエットも成功すると嬉しいにゃ・・・!
酵素サプリとかって最近よく見かけるけど、そもそも酵素ってなあに?